第6章 社会的な肩書きを失えば, みんな「ただの人」 (060)~(072)
文責 並木 克敏
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気を考える (60) やりたい事はたくさんあったほうが人生が豊かでいい。現
役を退いたとしても, 食事だけが唯一の楽しみというのでは, 人生あまりに
も寂し過ぎる。人は, 興味のもてる対象を見つけ出し, 時間の経つのを忘れ
てしまうほどに, 夢中になれるならば, このうえなく幸せに違いない。
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気を考える (61) 私の個人的な話であるが, 若い頃から野菜作りが大好き
で 大学を辞めたら, 自給自足の生活を送りたいと願っていた。残念ながら
事情があって, 田舎暮らしの生活はできなかったが, 植木屋になってしまっ
た。大学講師から植木屋への63歳の遅すぎる挑戦であった。
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気を考える (62) どうして「きつい」「汚い」「危険」の3Kの仕事を選んだの
かと言われそうであるが, 植木屋を選んだ理由は, 野菜作りもそうだが, 物
を言わぬ庭木という生命と会話しているのが楽しいからである。植物も人間
と同様に, よりよく生きようとする個性をもった生命体なのだ。
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気を考える (63) 植木職は経験も知識も技術も無いゼロからの出発であっ
た。野菜作りは趣味の領域であったが, 植木剪定は, お客からお金を頂くプ
ロの世界である。「石の上にも三年」というが, 二年間は親方の剪定作業を
横目で見ながら, 後片付けと掃除の毎日であった。我慢, 我慢である。
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気を考える (64) しかし, 新しいものへの挑戦とは, なんと楽しいことであろ
うか。自分の世界を広げてくれる, いくつもの新しい発見がある。植物は, そ
の土地に根を張って生きることを運命付けられており, 自由に動き廻われる
動物の営み方とは違うが, よりよく生き続けようとする数々の智恵がある。
00月00日 お気に入り 削除
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気を考える (65) 「植物は人間の心を感じ取って」反応しているとする, 嘘発
見器の第一人者で、元CIAのクリーヴ・バクスター氏の話が, 本当であるの
か知らない。しかし, 木によじ登り触れ合いながら剪定作業をしていると, ま
るで人間と同様に, 意志をもった存在かのように映る。
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気を考える (66) その意志とは, 植物にクラシック音楽を聞かせると, 綺麗
な花を咲かせるという話ではない。母親が赤ちゃんに生命の躍動を感じる
ように, 植木屋もまた, 生き続けたいとする庭木の意志を読み取ることがで
きるのである。植木屋のみ知ることかも知れない。
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気を考える (67) 植木屋の仕事は, サラリーマンと違って毎日あるわけでは
ない。三日働いて四日休むというのが, おおよそのスケジュールである。三
日間は自然の下で身体を動かし, 四日間は室内で机に向かうなどして過ご
す。還暦を過ぎた人間にとって, 心身ともに健康的な過ごし方である。
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気を考える (68) 経験も知識も技術も無く, 地下足袋さえ履いたこともない
植木職も, 今年で五年が過ぎた。辛抱したかいあって, 今では根気のいる五
葉松や黒松の剪定も任せてもらえるようになった。還暦を過ぎてから, また
新しい世界をひとつ加えることができたことが, なによりも嬉しい。
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気を考える (69) 「国会議員は選挙に落ちれば, ただの人」と云われるが,
社会的な肩書きを失えば, 誰もが「ただの人」である。さらに云えば, 会社な
どの組織から離れ, 過去の経歴や栄光を引きずって生きるならば, 社会か
らも孤立した「ただの老人」という悲しい現実が待っている。
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気を考える (70) 人はどんな事柄でも, 同じ繰り返しで生きていると, 脳細
胞の働きが衰えるだけでなく, 生きている実感もまた薄くなっていくものであ
る。老体に鞭打ってでも, 新しい分野に挑戦するならば, 脳が活性化するだ
けでなく, 友人の輪を拡げ, 世界が前向きに見えてくるのである。
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気を考える (71) 現役で苦労している人は, 退職したら悠々自適な年金生
活が待っているとか, 釣り三昧の世界に浸れるとか, 大いなる夢を描いてい
るだろうが, 解放感を楽しんでいられるのは, わずか三ヶ月間だけである。
やがて, 「暖簾に腕押し」という無力な感覚に悩まされることになる。
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気を考える (72) 人生や世界をポジティブに, あるいはネガティブに捉える
かは, その人の幸福度と深く関係している。給料前に「あと一万円しかない
」と嘆く人と, 「まだ一万円ある」とほくそ笑む人の違いである。客観的な事
実とは関係ない。人生や世界を前向きに捉えたいものである。
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■私の趣味の世界■
すまい&町並み 今昔物語
「第一章東京下町風景への旅」
「第二章同潤会アパートへの旅」